「賄いの本質」
先生は知ってるんですか、賄いの本質って・・・?
「天才料理少年 味の助」(宗田豪)
うざかった大河原大臣も去り、ようやく新展開・第32話のレビューです。
大河原大臣を改心させ、修行に励む味の助。
そこへ賄いの調理の話が出てきた。
“お前もそろそろ挑戦してみてもいいんじゃないか?・・・って先輩達がさ”
“賄いっていうのは・・・・”
“俺達新人が先輩の料理人達に日頃の修行の成果を見てもらう貴重な機会だ!!”
修行し始めて2週間程度で賄いねぇ・・・ホントに料理修行してんのかよ?
やったのってキャベツの切り方と大臣を改心させただけだろ。
やっぱ料理修行って 無駄無駄無駄ァァッ!! じゃないんですか?
んで、賄いを作ることになった味の助、先輩の料理人達に出した賄い料理は・・・
“ハンバーグドミグラスソース焼きトマトのせと車海老の丸ごと一匹エビフライです!!”
(やれる限りのことはやったぞ!!)
(ma-maの人気メニューなんだ! これなら皆もきっと・・・・!!)
と、味の助会心の料理です。
しかし、天堂は料理を見ただけでその場を去り、他の料理人たちも料理を残します。
“どうして・・・・ちゃんと作ったのに・・・・!!”
料理を認めてもらえず愕然とする味の助。
あまりの事に遠近法も狂います。
机と椅子デカッ!!
(味の助縮みすぎ?)
いや連載漫画なら遠近法くらいしっかりしましょうや・・・
さて、納得がいかない味の助、先輩料理人の1人に問いかけます。
“あ・・あの!! 何で皆・・・・僕の料理の何がいけなかったんですか!?”
“バカかお前?”
“大体「賄いの本質」ってもんが分かってねえんだよ! お前は”
と、今更ながらバカ扱いの味の助。
(そんな・・・・みんなのために心を込めたのに・・・・「賄いの本質」って一体・・・・何なんだ!?)
1人残され、愕然とする味の助。
つーか、“ma-maの人気メニュー”を出してるあたりで、日頃の修行はあまり関係ないことが分かります。
そんな落ち込む味の助の元に1人の訪問者。
“や・・・・”
“お店の方に来てから連れてきたよ!”
“ほ・・・・萌乃香!?”
味の助の様子を見に来た萌乃香を美鈴が連れてきました。
二人並んでまるで姉妹のようです、顔の部品が同じだしね。
賄いに失敗し落ち込む味の助を見て萌乃香はいつものように一喝します。
“しっかりしなさいよ!”
“失敗なんていつものことじゃないっ!!”
それでもウジウジしている味の助。
萌乃香は呆れてその場を立ち去ろうとします、呼び止める味の助。
すると・・・
つるっ
“!?”
え〜、これって何の漫画でしたっけ?
こんな使い古されたハプニングなんかどうでもいいんですが。
一体何がしたいのでしょう、肉汁も飛ばしてないし、また欲求不満ですか?
そんなハプニングもあり、やる気を取り戻した味の助。
萌乃香は激励の言葉を残し、その場を去って行きます。
しかし、その顔には暗い影が・・・
一方味の助は心機一転、仕事中も学校でも「賄いの本質」について考え込んでいます。
そんな中、萌乃香が学校を休んでいることに気付く味の助。
(珍しいな・・なんだろう風邪かな?)
“帰りにちょっと様子見に行こうかな・・”
と、味の助お見舞に行くことに、仕事は休みなのか?
萌乃香の家に着き、呼び鈴を鳴らす味の助。
ちなみに表札は 「沢渡」 となっています、萌乃香の本名も判明。
しかし、いくら呼び鈴を鳴らしても返事がありません。
不審に思った味の助、そっと玄関を開けてみると・・・
何者かにひどく荒らされていて、異常に気付いた味の助は叫びます。
“萌乃香!? おばさん!?”
“誰か!! 誰かいませんか!?”
“味の助・・くん?”
と、奥から
萌乃香の母親が登場、非常に疲れた顔で泣いています。
“おばさんこれって・・!?”
この状況を問い詰める味の助。
“萌乃香が・・・・”
“萌乃香がっ!?”
“昨日から・・・・部屋に閉じこもったきり出てこないの・・!!”
いや、たたが一日じゃないですか、それでもまぁ、ヒッキーはヒッキーか。
久々に出演したと思ったら、あっという間にヒッキーですよ、さすが萌乃香。
すると、この荒れ果てた状態も萌乃香が・・・
“そんな・・じゃあ・・ひょっとしてこれ”
“昨日あの子と大ゲンカになって・・・・”
いや、荒れ果てた家庭の典型ですな。
俺としては昨日倒れたはずの花瓶の回りに水が残ってることが気になります。
つーか、昨日のことならしっかり片付けろ。
前日に模試をさぼって味の助に会いに行った萌乃香と、
サボったことを注意するお母さんが大衝突したようです。
疲れきったおばさんは・・・
“味の助くん・・萌乃香から何か聞いてない・・・・?”
と、味の助に救いを求めます、味の助は・・・
(そうか・・!! 店まで萌乃香が来たのは・・)
(僕に話をしに来たんだ・・・・!! なのに・・・・僕は・・!!)
萌乃香が店まで来た真意を悟り、萌乃香の部屋まで猛ダッシュ。
まぁ、テストで0点取ってる奴に成績の相談なんかしないと思うんですがね。
“萌乃香!! 萌乃香!!”
と、萌乃香の部屋のドアを叩く味の助。
“萌乃香・・!! ごめん・・僕・・何も知らなくて・・・・”
と、味の助はドア越しに萌乃香に話しかけます。
すると中から・・・
“ダメなの・・”
“どうしたらいいのか分かんないよ・・・・”
“やだ・・キライ・・こんな私嫌だ・・・・!!”
まるで自殺寸前の工場長のような暗い返事が帰ってきます。
追い詰められた萌乃香の声を聞いて、自らも追い詰められる味の助。
(何で僕は・・・・こうなる前に気付いてあげられなかった!?)
(僕が一番萌乃香の側にいたはずなのに―――!!)
料理修行なんか無駄なことやってるから気付かないんだよ。
と、ここで思うんですが、これって絶好の百舌の舌発動条件じゃないですかね。
他人の悲しみと自分への怒り、まさか今回も百舌の舌無しですか?
さて、ドアの前で立ち尽くす味の助の後に、おばさんがやってきます。
“私も・・もう・・どうしたらいいか・・・・”
“ドアを開けるのも置いておいた食事を取るときだけ・・・・”
そこで我等が味の助、食事をいう言葉に反応します。
(食事を・・・・取る時・・!?)
“おばさん・・”
“萌乃香の食事を・・僕に作らせて下さいっ・・!!”
・・・かおりの時も同じようなパターンじゃなかったっけ・・・
まぁ、料理一つで悪人を改心させたり、死人を蘇生させたりする奴ですから、今更驚かないですが。
それより気になるのは、「賄いの本質」と「萌乃香の復活」の関連性。
これで中身が全く違ったら、もう漫画として救いようが無いね。
きっと、関連性があるはず。
「賄いの本質」というのは、やっぱ「単価」では無いかと思います。
そんな客に出す奴みたいにいい材料じゃなくて、あり合せのものを使うべきでしょう。
後は「時間」ですかね、作る時間も食べる時間も極力短くでしょう。
本業にかける時間を削っちゃ本末転倒です。
しかし、それだと「先輩料理人が料理を残した」ことにはあまり関係がありません。
そこで「消化の良いもの」ということも考えられます。
賄いを食べた後にも仕事が待っているのですから、腹に重いものは好まれないでしょう。
食べた直後の仕事が元気にできることが賄いの本質ではないでしょうか?
これだと「萌乃香の復活」にも関連してきます。
食べるとすぐに元気になる料理を作ればいいわけです。
ま、本気でこの通りだったら漫画としては面白くもなんとも無いんですが。
そろそろ宗田先生の斜め上な展開を期待したいと思います。
次回予告
言葉じゃ伝わらない思いを料理に託す!
味の助 決意の時―――!!
次回「そろそろ百舌の舌を・・・」にご期待下さい。
それにしても、萌乃香の家にもお父さんはいないのでしょうか・・・?
H16・6・26