カブトガニとは
カブトガニ類は、節足動物門/鋏角亜目/カブトガニ綱(剣尾類)/カブトガニ目/カブトガニ科に属し、日本、台湾、揚子江以南の中国大陸、ベドナム、フィリピン、ボルネ オ、シヤワ、スマトラ、インドのベンガル湾、北アメリカの東海岸に生息し、現存種は2属4種である。
世界の分布域は、日本、台湾、揚子江以南の中国大陸、ベトナム、フィリピン、ボルネオ、ジャワ、スマトラの東南アジアの海岸、インドのベンガル湾に同属の3種(和名カブトガニ、マルオカブトガニ、ミナミカブトガニ)、北アメリカ東海岸に属が異なる1種(和名アメリカカブトガニ)が生息している。
日本に生息するカブトガニ(Tachypleus Tridentatus)は、4種の中で最も大型であり、日本、台湾、フィリピン、ボルネオ、ジャワ、スマトラに生息する。
カブトガニ類も他の生物と同様に、初めて地球上に出現した頃に比べると、次第にその形は変わってきたが、古生代の中頃には、すでに今のカブトガニと大変よく似たものとなっている。すなわち、今から3億年以上も前からほとんど形を変えず生き続けた生物…「生きている化石」の代表的な学術的にも貴重な生物である。
中生代・ジュラ紀にヨーロッパからアジアに生息したとされているメソリムルスは、今のカブトガニ類とほとんど見分けがつかないほどである。
カブトガニは、古い生物なのだろうか。いや、進化する必要がないくらい環境に適応する能力をもった優れた生物ではないだろうか。この生物が、今絶滅の危機にさらされているということは、地球環境が急激に悪化しているためではないでしょうか。
1.カブトガニとは
カブトガニの祖先、三葉虫の化石
中生代・ジュラ紀のメソリムルスの化石
2.伊万里湾
日本におけるカブトガニ生息地は、一昔前までは瀬戸内海から九州北部の沿岸にかけて、数多く見られた。しかし、近年の海岸の埋め立てや、海水の汚染などの影響によって、その数はめっきり減ってしまいました。
現在、カブトガニの生息が確認できるのは下図に示した地域だけとなっています。
九州の北部に位置する佐賀県伊万里市は、人口約6万、全国に「古伊万里」の名で知られる焼き物とフルーツの里である。その焼き物の積出港として栄えた伊万里湾は、日本でも有数のカブトガニ繁殖地である。
特に、伊万里湾内の多々良海岸は、産卵期には目の前でカブトガニの産卵が観察することができる。また、この海岸一帯は、「伊万里市重要文化財・カブトガニ繁殖地」に指定されています。
- 岡山県笠岡市
- 愛媛県東予市
- 大分県杵築市守江湾
- 福岡県福岡市今津湾、加布里湾
- 佐賀県伊万里市
- 広島県広島市
- 山口県山口市山口湾
- 山口県下関市玉喜海岸
- 福岡県北九州市曾根干潟
- 福岡県前原市
- 長崎県壱岐
- 長崎県西海町
現在、産卵つがいや幼生が確実に観察されるのは、3.4.5.7.8.9の地域である。