大川内山の鍋島藩窯跡 国史跡に指定!

 江戸時代に鍋島藩の御用窯が置かれ「秘窯の里」とよばれた伊万里市大川内山の大川内鍋島藩窯跡が平成15年9月16日、文部科学省から国の史跡に指定されました。
対象は屏風岩(びゅぶいわ)などに囲まれた8.4ヘクタール。
全長137メートルで約30の窯室があったという登り窯跡、御細工場
(おさいくば)跡、1660年代の窯で鍋島の発祥とされる日峯(にっぽう)社下窯跡、陶工屋敷跡群などが残る。
伊万里市教委は「こんなに広範囲の窯跡が指定されるのは珍しい」と話す。 
 鍋島藩は有田の岩谷川内
(いわやごうち)から南川原(なんがわら)を経て、1675(延宝3)年に大川内山に移ったとされる。三方を険しい山に囲まれ、陶芸技術が外部へ漏れないよう関所や役所を置いて厳しく管理。将軍家や諸大名への献上品として、「色鍋島」「鍋島染付」「鍋島青磁」などを焼いた。明治4年の廃藩置県で廃止された。 
 伊万里市は「藩窯は日本の歴史、文化を知る上で貴重で景観も残り、学術的価値は高い」と専門家による「史跡保存整備策定委員会」を発足させ、指定区域の公有化を進めて発掘調査を実施し、整備、保護していく方針だ。

平成15年9月17日 朝日新聞朝刊より抜粋
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